2009年11月22日

飼料イネ品種選択に役立つサイト

(09/11/24 農林水産省のサイトを加筆しました)

最近、当ブログを検索で訪問される方は、飼料米や多収穫米関係のキーワードで探された方が多いようです。これら品種への期待の高まりを感じます。

さて、そうした多収穫米の品種選定に役立つサイトをひとつ紹介します

みんなの農業広場 農作業便利帖 稲編
地域に適応した米粉用米、飼料用米の多収品種
http://www.jeinou.com/benri/rice/2009/06/111506.html


全国農業改良普及支援協会が運営しているこのサイト、他にも稲作に役立つ情報が数多く掲載されており、その多くが第一線の技術者の方々が執筆されているのが特長です。
農作業便利帖 全体の入り口はこちらです。
http://www.jeinou.com/benri/

多収米栽培マニュアル及び多収米品種パンフレットについて
http://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/tasyumai/t_manual/index.html
農林水産省のサイト中にあり、タイトル通り多収米栽培マニュアル及び多収米品種パンフレットのPDFファイルが入手できます。
品種のパンフレットは、近年育成された多収穫品種のほとんどが網羅されています。


posted by EX-Ricebreeder at 19:46| Comment(0) | 飼料イネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月10日

晩植の飼料イネ

稲刈りもほとんど大詰めで、刈取りの終わった田んぼが目立ってきます
そんな一角に青々とした稲が、タバコ跡、イグサ跡作を想定した晩植え(7月下旬植え)の飼料イネ(サイレージ用)試験です。

これを刈り取れば収量試験の稲刈りも終わりです。まずは背丈や穂数の調査をします。晩植飼料イネ調査.jpg

食用イネ品種(上)に比べて下の品種(左がホシアオバ、右はまきみずほ)の生育が旺盛なのが一目瞭然です。
晩植食用米.jpg
晩植 ホシアオバとまきみずほ.jpg


こちらは、左のニシアオバに比べて右のモグモグあおばの生育の良さが目立ちます。
晩植 ニシアオバとモグモグあおば.jpg

「まきみずほ」や「モグモグあおば」は晩植えでも黄熟期に到達し、収量的にも1.5t/10a近い乾物収量が見込めます。
posted by EX-Ricebreeder at 21:57| Comment(0) | 飼料イネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月08日

畜産草地研究所の「モミロマン」飼料米生産(記者発表)

少し古い情報で恐縮ですが

地域資源循環を活かした飼料用米生産・豚肉生産を実証 〜水田・豚ふん尿の有効活用による国産飼料を利用した豚肉生産〜

という記者発表が(独)農研機構 畜産草地研究所からありました(2009年10月19日)。

概要を引用しますと、
・豚ふん尿を利用した飼料用米の栽培法、肥育豚への効率的な給与法を開発し、これらを融合した飼料用米による豚肉生産技術の現地実証を行いました。
・耕作放棄水田の活用と自給率の向上に貢献し、中山間地の振興や地域内資源循環が期待されます。

ということですが、栽培面では、畜産廃棄物を堆肥にする過程で発生するアンモニアを回収し硫安液肥にする方法を開発し、この液肥を追肥に使うことで、前に紹介した多収品種「モミロマン」を用いて、900kg/10a(2年平均)の粗玄米収量を達成しているとのことです。

 また、現地では、肉質などで差別化した豚肉の商品開発も進められ、飼料米の栽培面積も増えてきているとのことです。

 飼料米の栽培現場では、いろいろと課題もあり、必ずしも多収が実現できていない事例もありますが、この件のように現場の条件を生かした栽培により、多収穫を達成している事例も出てきています。
 これからの展開に期待です。
posted by EX-Ricebreeder at 17:02| Comment(0) | 飼料イネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

飼料・米粉用米の直播栽培

飼料米や米粉用の品種や技術について、これまで色々書いてきました。
いずれの用途でも、主食用のお米に比べてより低コストでの生産が求められます。

もちろん、そのために一般の品種よりたくさん取れる能力を備えているわけですが
栽培面でもより低コスト化への対応が必要です。

その有力な手段が直まき(直播)栽培です。

もちろん、あらゆる条件で安定した栽培が出来るようになるまでには課題もありますが、場合によっては通常の田植えに負けない収量が得られている事例もあります。

コスト面でも、食用品種の事例ですが、前の記事で紹介したような大幅な低コスト化が可能との試算が得られています。

今日紹介するのは、当所の飼料イネの栽培担当が行っている乾田直播(かんでんちょくは)試験です。

こちらが、ミスホチカラ
R0013040.jpg

こちらが、インディカの北陸193号です。
R0013043.jpg

どちらも、雑草等被害もなく、十分多収が得られそうな生育をしています。この試験、昨年は北陸193号で最大1t/10aを越す玄米収量も得られています。今年も結果が楽しみです。

ある程度の条件が揃えば、直播で低コスト+多収が得られる技術の要素は揃いつつあると言えるでしょう。


posted by EX-Ricebreeder at 20:53| Comment(0) | 飼料イネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月30日

家畜改良センター熊本牧場の飼料イネ採種栽培

熊本県にあります(独)家畜改良センター熊本牧場に行ってきました
ここは草地畜産種子協会の委託を受けて、飼料イネ・飼料米品種の種子生産を行っています。

ちょうど飼料米・米粉用のミズホチカラの種子を収穫していました。
熊本牧場の飼料米種子収穫

穂も大きく、稔実も良さそうで、これなら良い種子になりそうです。
熊本牧場のミズホチカラ

田んぼの広さが分かりますでしょうか?品種の多収性と相まって、来年数百haに作付けできる種子が収穫できそうです。
熊本牧場のミズホチカラ水田全景

こちらは、来週刈り取り予定のサイレージ用品種「タチアオバ」、こちらも草姿、熟色良く、採種は問題なさそうです。
熊本牧場のタチアオバ草姿
P1010096.jpg
posted by EX-Ricebreeder at 05:11| Comment(0) | 飼料イネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする